未成年後見人イラスト未成年者(20歳未満、令和4年4月1日からは18歳未満)は原則として単独で有効な法律行為をすることができず、法定代理人となる親権者の同意を得るか(民法5条①)、親権者が未成年者を代表して法律行為をすることになります(民法824条)。

未成年者に親権を行う者がないとき、または親権を行う者が管理権を有しないときは、未成年後見人が法定代理人になります(同838条)。

親権を行う者がないときとは、親権者の死亡や後見開始のように法律上親権を行使する者がいない場合をいい、親権者の行方不明のように事実上親権を行使する者がいない場合を含みます。親権を行う者が管理権を有しないときとは、親権喪失や、親権停止がされた場合です(同834条、834条の2)。

未成年後見人は、未成年者本人または未成年の親族その他利害関係人の請求によって家庭裁判所が選任します(同840条①)。また、未成年者に対して最後に親権を行う者は遺言で未成年後見人を指定することができるとされています(同839条①)。

未成年者、家庭裁判所から法定代理人を解任されたことがある者、破産者、未成年者本人に対して訴訟をした者とその配偶者および直系血族、行方の知れない者は未成年後見人になることができません(同847条)。

家庭裁判所は、未成年者本人の年齢、心身の状態ならびに生活および財産の状況、未成年後見人となる者の職業および経歴ならびに未成年者本人との利害関係の有無、未成年者本人の意見その他一切の事情を考慮して未成年後見人を選任します(同840条③)。

就任した未成年後見人は、未成年者本人の身上監護に関し親権者と同一の権利義務を有し(同857条)、財産を管理し、かつその財産に関する法律行為について未成年者本人を代表しますが(同859条①)、未成年者本人と未成年後見人との利益が相反する行為については、父母の場合と同様に特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません(同860条、826条)。

家庭裁判所は未成年後見人の事務を監督し、必要があると認めるときは後見監督人を選任して未成年後見監督人に未成年後見人の事務を監督させます(同863条②)。

未成年後見人は未成年者本人が成年に達することで未成年後見人の資格を失い、その任務は当然に終了します。未成年者本人が成年に達する前に死亡した場合も同様です。

令和2年12月23日福島民報掲載